クレジット・カードの法律ガイド ※文字サイズ変更できます

連鎖販売取引の規制


スポンサードリンク

連鎖販売取引の規制について

契約締結前の概要書面の交付義務、契約締結時の契約書面の交付義務、広告規制、禁止行為等の規制があります。

▽契約締結前の概要書面の交付義務

連鎖販売業を行う者は、組織へ新規加入する際と新規加入後の取引条件の変更の際には、勧誘時から特定負担についての契約に至るまでに、次の事項を記載した書面を無店舗個人に交付しなければなりません。

(1)統括者の氏名や名称、住所と電話番号、法人の場合は代表者の氏名
(2)連鎖販売業を行なう者が統括者でない場合には、その連鎖販売業を行なう者に関する(1)と同様の事項
(3)商品の種類と性能・品質に関する重要事項、権利や役務の種類とこれらの内容に関する重要事項
(4)商品名
(5)商品・権利の販売価格、その引渡しや移転時期・方法、販売条件に関する重要事項、役務の対価、提供時期・方法、提供条件に関する重要事項
(6)特定利益に関する事項
(7)特定負担の内容
(8)契約の解除の条件その他契約に係る重要事項
(9)抗弁権が接続する旨
(10)禁止行為に関する事項

▽契約締結時の契約書面の交付義務

連鎖販売業を行う者は、連鎖販売取引の契約をしたときは、遅滞なく、次の事項を記載した書面を、無店舗個人に交付しなければなりません。

(1)商品の種類と性能・品質に関する重要事項、権利・役務の種類とこれらの内容に関する事項
(2)商品の再販売、受託販売もしくは販売のあっせん、または同種役務の提供もしくは役務の提供のあっせんについての条件に関する事項
(3)特定負担に関する事項
(4)20日間のクーリングオフ期間を含む契約の解除に関する事項
(5)契約年月日
(6)商標、商号その他特定の表示に関する事項
(7)特定負担以外の義務について定めがあるときは、その内容
(8)上述の概要書面の(1)(2)(6)(9)(10)

▽広告規制について

統括者、勧誘者、一般連鎖販売業者は、連鎖販売取引の広告をするときは、次の事項を記載しなければなりません。

●商品や役務の種類
●特定負担に関する事項
●特定利益について広告をするときは、その計算方法
●統括者、勧誘者、一般連鎖販売業者の氏名や名称と住所
※勧誘者、一般連鎖販売業者の場合は、その統括者のものも含みます。
●法人でインターネットなどによって広告をする場合には、統括者、勧誘者、一般連鎖販売業者の代表者か業務責任者の氏名
●商品名
●電子メールで広告するときは、電子メールアドレス
※相手方の請求にもとづかないで、かつ、その承諾を得ないで電子メールで広告するときは、広告メールの表題部の最前部に「未承諾広告※」と表示しなければなりません。
※この「未承諾広告※」には、消費者が受け取ることを希望しない場合には、その旨を意思表示するための連絡方法も表示しなければなりません。

▽誇大広告の禁止

統括者、勧誘者、一般連鎖販売業者は、その統括者の統括する連鎖販売取引の広告をするときは、次の事項について、著しく事実に相違する表示をしたり、実際のものよりも著しく優良であるとか、有利であるとして人を誤認させるような表示は禁止されています。

●その商品の種類、性能、品質、効能、権利・役務の種類、内容、効果
●商品の原産地、製造地、商標や製造者名
●特定負担
●特定利益
●商品・権利・役務、統括者・勧誘者・一般連鎖販売業者、またこれらの行う事業について国、地方公共団体、著名な法人その他の団体や著名や個人の関与

これらは、虚偽・誇大広告によるトラブルが増加したことに伴って、平成12年の特定商品取引法改正で新たに規定されたものです。

▽禁止行為について

統括者、勧誘者、一般連鎖販売業者は、次のような行為が禁止されています。

●統括者または勧誘者が、無店舗個人への勧誘に際し、または契約の解除を妨げるため、故意に事実を告げず、もしくは不実のことを告げること、または威迫して困惑させること
●一般連鎖販売業者が、無店舗個人への勧誘に際し、または契約の解除を妨げるため、不実のことを告げ、または威迫して困惑させること
●統括者、勧誘者、一般連鎖販売業者が、特定負担を伴う取引についての契約についての勧誘をするものであることを告げずに、営業所等以外の場所において、呼び止めて同行させることなどで誘引した者に対し、公衆の出入する場所以外の場所で勧誘をすること

▽合理的な根拠資料の提出

虚偽・誇大な広告の勧誘を行っている疑いのある販売業者等には、原則15日間の期間を定めて、「効能」「効果」などの裏づけとなる合理的な根拠資料の提出が求められるような措置がとられています。

また、その期間内にその資料の提出がされない場合には、虚偽・誇大な広告や勧誘にあたることになり、特定商取引法上の違反行為とみなされ、改善指示等行政処分の対象になることとされています。

関連トピック

連鎖販売取引について

連鎖販売取引とは、いわゆるマルチ手法のことです。

▽連鎖販売取引とは

連鎖販売取引は、次の要件を満たしている取引のことをいいます。

●物品(権利を含みます)の販売(あっせんを含みます)や、有償の役務提供(あっせんを含みます)を行う事業者との取引であること
●その事業者が、販売目的の物品の再販売、受託販売、販売のあっせん、同種の役務提供またはそのあっせんをする者を「特定利益※」を収受することをもって勧誘すること
※特定利益・・・甲の勧誘により取引を始める乙が、次に商品等の購入や役務の提供を受ける丙が支払うことになる商品等の代金や取引料等の金銭の一部を、甲や丙から受け取ることができる利益のことをいいます。
●その者が、「特定負担※」を伴う、事業者と物品(権利を含みます)の販売(あっせんを含みます)や、有償の役務提供(あっせんを含みます)に関する取引(取引条件の変更を含みます)をすること
※特定負担・・・上述の乙が、物品の購入、役務の対価の支払または取引料の提供を行うことをいいます。

ちなみに、連鎖販売取引では、特定商取引法上の訪問販売、通信販売、電話勧誘販売のように、指定商品、指定権利、指定役務の場合にのみに適用されるのではありません。

よって、すべての物品、権利、役務が対象になります。

▽無店舗個人への保護

連鎖販売取引の弊害は、商取引の経験が乏しい一般人を独立の事業者に仕立てあげて、多額の出資をさせることです。

よって、「商品の販売等を店舗等によらないで行う個人」であれば、営業用の取引であっても保護されることになっています。

▽マルチ商法とマルチまがい商法の差異

マルチまがい商法についてですが、これは、平成8年の特定商取引法(当時は訪問販売法でした)の改正前は、「再販売」だけが規制の対象になっていたので、「受託販売」や「販売(役務提供)のあっせん」による組織販売のことをそう呼んでいたのです。

平成8年の改正後は、こういった販売も連鎖販売取引の定義に含まれることになりましたので、現在はマルチ商法と同じです。

▽マルチ商法と無限連鎖講の差異

無限連鎖講は、マルチ商法と混同されやすいのですが、「無限連鎖講に関する法律」に定められているものなので、全く異なるものです。無限連鎖講とは、商品の販売や役務の提供を介在することなく、金品(証券)を出資する加入者が先順位者になり、順次後順位者の出資金から先順位者が利益を得るという配当組織のことです。

よって、マルチ商法は、法令を遵守しさえすれば適法な組織になるのに対して、無限連鎖講は、無限連鎖講に関する法律によって違法な組織として禁止されているという点で異なります。

▽連鎖販売会社から「特定利益」の勧誘は受けないで、単純に商品を購入した人が、後から「商品のすばらしさを他の人にも勧めてみないか」といわれて勧誘を始めた場合は

このような場合は、最初の商品以外には「特定負担」に該当するものがないわけですから、マルチ商法っぽいですけれど、連鎖販売取引にはならないということになります。

▽連鎖販売トラブルの原因

根本的な原因は、他人をその組織に加盟するという行為自体に限界があることです。統括者が2名で取引を始めて、その下のセールスマンが毎月2名ずつ勧誘したと仮定すると、32か月間で地球上の全人口がセールスマンになるという計算があります。結局、このシステムは、自分が泣くか、自分の友人や家族を泣かせるシステムなんですね。

▽平成16年の改正

平成16年の改正では、ビジネスに不慣れな消費者の救済を図るために、連鎖販売取引に中途解約と返品ルールが規定されました。

情報検索

 


Copyright© 2007 クレジット・カードの法律ガイド All rights reserved.